義妹
ライトノベル風。
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どんなに深く暗い夜でも、いずれは朝が訪れる。
ましてやいつも通りの日常が繰り返されてるだけの世界であれば、なんらかの変化すら許されてない。
朝は来る。…いつだって、規則正しく。

現実に一気に引き戻されてしまった。
親が自室のドアを叩き、朝だということを告げてくる。なんら変わりない日常。
今日は平日で、学校に行かなきゃならないし。
薄いカーテンから届けられる日光は目蓋の重い状態にある自分にとっては痛い、でしかない。
ゆっくりと寝返りをうってみると、布団が巻き込まれて足だけ涼しくなる。
壁にかけられた時計を見やる。時刻は、6時20分。
布団は暖かかった。毛布に包まれてると、朝でも夜でも何もかも忘れることが出来て、
逃げるにも忘れるにも確実な場所で、それも変わりなくて。
ただ、変わったのは。
一人っ子で生まれてきた俺を起こす声が、俺と妹の二人分だっただけだ。

妹は俺の寝てた二段ベットの下の段で寝ている。
俺の家にやってきた妹は上の段で寝ようともせず、すんなりと下の段で寝ることになり、いつもそれが自然となった。
俺はどちらでも良かったのだが、妹も似てる性格のせいかどちらでも良かったんだろう。
どこか似てる点があるのかもしれない。物事をあまり大きく考えないところとか自分でも似てると思うし。
起こされた以上、起きなくては時間の無駄になってしまうのは明白だったので、
ゾンビのような動きで二段ベットの上から飛び降りる。
普通ベットにある階段のようなハシゴは、邪魔だという理由から取り外してある。
登る時は飛び乗り、降りる時は飛び降りれば良い、それだけの理由から。
妹も特に何も言わなかった。一日目で飛びのり、飛び降りてるのを見て納得したんだろう。この人にハシゴは必要無いんだ、と。
無事に着地成功し、起きてまずすることは…パソコンの電源を付けること。
緩慢な動きでパソコンデスクに向かい、椅子にまるで社長のように座り、電源をつける。
パソコンのボタンが光る。緑色に光り、電源が入り始めてることを確認した。
本体が動き初め、音が部屋に鳴り響く。
もちろんすぐ付く訳でも無いので、椅子から立ち上がり、コーヒーを作ることにした。
前───RozenMaidenをテレビで見て、漫画を買い漁り、結局ポットまで購入してしまった。
(漫画内で紅茶を飲むシーンが多々ある)
その時に買ったポットは今も現役で、寝ずに水をお湯にし、ずっと保ってくれていた。
床に座り込んで紙コップを取り出す。一々コップを使っていると、洗うのも持ってくるのもすごく面倒だった。
自室は二階にあり、台所は一階しか無い、となると階段を降りては登らなくてはならない面倒さがあるので、
この間紙コップを300個くらいまとめて買ってきたのは先週の話。
そのための紙コップ。そこにインスタントコーヒーをスプーン一杯、砂糖を二杯、水を入れてミルクを一つ、かき混ぜて軽く放置しておく。
「…もう一つ作った方がいいのかなー…。」
ふと口にしてしまった。脳内だけで考えればよかったのに、口が動いてしまったので仕方が無い。
眠ってた世界、微睡んでる自分に些細な独り言もある。

「じゃあお願いしようかな。」
今まで寝てたベットの下から、そんな声が聞こえてきた。
独り言に反応されるとビックリする。更に呆、としてたので余計にビックリした。
「…なんだ、起きてたのか。」
起きてたか寝てたか、どっちが悪いかと言うと寝てた方が悪いのだが、
ビックリさせられた腹いせにまるで起きてたのが悪いような言い方をしてやった。
「…でも私が起きてなかったら困るのは兄ちゃんの方だよね。」
こいつは本当に今まで寝てたのか、ってくらい頭が冴えて怖いくらいだ。
確かに親が俺を起こし、俺が妹を起こすという流れになってる。親が俺を起こしに来た時点で妹も起きれば楽なのだが、なかなか起きてくれない妹を起こす役となってしまっているのだ。
さっきと同じようにコーヒーを作る動作をする。もう寝ててもできるくらいに何度もやっている。
朝起きてコーヒーを作る、なんてのは起きるという行為と同じようなものだ。
甘々なコーヒーを二杯も作る。かき混ぜてポット周辺に置いておく。
「…顔洗ってくるから。俺が戻ってくるまでに、ちゃんと起きとけよー。」
そう言い残し、返事を背中で受けながら部屋を後にした。

ドアを境界線に廊下は冷気が漂っていた。布団の中、部屋の中はもう少し暖かかったはずなのにな、なんて首を傾げながらスリッパを履き、一階へと下りていく。
階段でペタペタ足音を立てながら、今日の時間割なんかをぼんやりと考えてた。

夏はもっと温かかったと思える水は、この時期になると冷水で、冬になると氷が出てくるんじゃないかってくらい冷たかったが、それが意識をハッキリとさせてくれる良い薬だった。
髪型を整えることもまずしなくなった。
髪の毛にこだわると面倒だ、ということを悟ってしまい、美容師との接触も避けるようにし、
結局行き着いたところは自分である程度切って放置、ということだ。
適当にバッサバッサ切ったら左右非対称、切りにくい場所だけ変に長い、という奇抜な髪型になってしまい
周りから床屋行け、と何度言われたか分からないが…まぁ、そんなこともどうでもいい事に過ぎない。

階段を上がって部屋に戻ると、妹が準備をしてた。
鞄に教科書、ノートを詰めてるあたり几帳面ということが分かる。
妹とは年子で、高校一年生。俺が高二だから一つしか離れてない。教科書もみたことがある表紙だった。
家に近い農業高校に転入したようで、俺と同じ高校を奨めたけど家に近い方が良い、と切られてしまい、
そう言われると近い方が良いけど虫を触ることが出来ない俺に農業は致命傷だった。
妹は自転車で20分もかからない場所。俺はバスで一時間半、というのは不公平な気がするが。
「顔洗ってきなよ、その間に着替えるから。」
鞄に詰め込むようにしてた妹に声をかけ、部屋から出るように促す。
「いってきまーす。」
「いってらっさーい。」
気の無い返事に気の無い返事をした。兄妹なんて、こんなもんで充分だ。

妹が顔を洗ってる間に着替えなくてはならない。
もちろんノックして入ってくるとはいえ、朝の短い時間を待たせるのは良くないことだし。
昨日のうちに準備してあるシャツ、ズボン、セーターなどに迅速に着替え、パソコンデスクの椅子に座って
さっき淹れたコーヒーを一口すすると、熱いけど甘くて美味しかった。
カフェイン分多くないし、目を覚ます効果は無いけど、ただのモーニングコーヒーとしては上出来だろう。
ほどよくして、妹も帰ってくる。

パジャマのまま意識だけハッキリしてる妹はまた鞄の荷造りを始めた。
家を出るのは俺の方が早い。俺もとっとと準備して出掛け、妹をこの部屋に一人にさせてやらないと着替えもできないだろう。
母親から弁当と水筒を受け取り、プリント類、筆箱などを突っ込み、携帯とmp3プレーヤーを制服のポケットに入れた。
これで大体は準備完了。あとはパソコンのCabosを起動させ、適当に検索して画面の電源を切って学校に行こう。
そう思ってたところで、俺は親から起こされる声で夢から醒めた。

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えぇ。そうです。夢です。夢オチです。
本気で妹が出来る、って夢見ました。これはガチです。
二段ベットの下に妹がいました。髪ショートカットの。高一の妹が。よく覚えてますとも。

はー。この夢見た日、いつもより起きるのが遅れて遅刻しそうになりました。
実際、起きた夢を見たわけで、絶望感といったら凄まじいものでしたね。
夢で見た部屋は、実際の部屋より大きかったし…ほんと溜息しか出なかった。
ほんと酷い。なんでこんな夢見たんだろう俺。なんかのお告げかね。
義理の妹が出来る夢なんて…ほんと終わってんなー、俺。
顔も別に好みのタイプ、とかじゃなくて、普通のショートカットの人だったし…モデルが誰さえか分からないし。

本当に誰だったんだ。いろんな意味で起きて絶望させてくれたぜ。
10/31 23:42 | 日記 | CM:3 | TB:0
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